外鼻孔狭窄 短頭種気道症候群

外鼻孔狭窄 短頭種気道症候群

近年、ボストンテリアやフレンチブルドッグ、パグ、ペキニーズなどの犬種に代表される短頭種(いわゆる鼻の短い犬種)の人気は高く、来院されるワンちゃんの数も増えてきました。

そんな彼らはいつも口を大きく、口角を上げて呼吸をしています。ニコッと笑っているようにも見えますが、じつは苦しいのです。独特な呼吸の音(鼻から喉にかけてガーガーと音をたてて呼吸する)や、いびきも年齢とともに大きくなってきます。

こういった呼吸の症状は 短頭種気道症候群 という病気に関連し、熱中症や麻酔のリスク、突然死といったものに大きく関与してきます。

写真はフレンチブルドッグのお鼻です。
このワンコは以前に熱中症で入院し危篤状態となり輸血までしました。

外鼻孔狭窄(がいびこうきょうさく)

他の犬種と比べてみると鼻の穴が狭くなっていることがわかります。

これは 外鼻孔狭窄(がいびこうきょうさく) といい、空気の通りが悪く、わずかな運動や気温の上昇でも、すぐに呼吸が苦しくなります。
また、呼吸数が増えると強い陰圧によって喉や気道に炎症をきたし、粘膜が腫れて気道が狭くなり、さらに呼吸がしづらくなっていきます。
毎日少しずつ病気が進行し、日常生活に支障がでたり、最悪の場合呼吸不全による突然死を招きます。

これは先ほどのフレンチブルドッグの手術の写真です。
喉の奥を見てみると、まだ軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)にはなっていなかったので、
今回は外鼻孔を拡張させることにしました。
お鼻の一部を切除し、鼻の穴が外側に開くように縫合します。

軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)

術後はいびきも減り、呼吸も楽そうになったそうです。
お鼻から酸素をたくさん吸って、他のワンちゃん達と楽しく遊んで、長生きしてほしいですね。

呼吸やいびきについて

今回は喉のほうに異常がなく、比較的早期であったため鼻だけの手術ですみましたが、進行した状態では、軟口蓋や喉頭部などの手術も必要になり、麻酔のリスクも高くなります。
より安全に、最大限の効果を得るためには、より早い段階(なるべく4歳未満)での手術が理想的です。

もしおうちのワンちゃんの呼吸やいびきについて気になる方や、手術に興味のある方はひがしやま動物病院にご相談下さい。

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